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ニュースリリース

2020年08月26日

『エスネットワークス人事労務通信2020年8月号』を掲載致しました。

マイナンバーカードの健康保険証利用受付が始まりました

 

2021年3月から、マイナンバーカードが健康保険証として利用できることになっていますが、その申込みが始まりました。詳細はマイナポータルのホームページに掲載されていますが、概要は以下のようなものです。

 

◆メリットは?

① 就職・転職・引越をしても健康保険証としてずっと使える

② マイナポータルで特定健診情報や薬剤情報・医療費が見られる

③ マイナポータルで確定申告の医療費控除がカンタンにできる(2021年分確定申告から)

④ 窓口への書類の持参が不要になる

 

◆使い方は?

医療機関や薬局でマイナンバーカードをカードリーダーにかざすだけで使えます。オンライン資格確認が導入されている医療機関・薬局では、マイナンバーカードを持参すれば健康保険証がなくても利用できます。医療機関や薬局は、マイナンバーカードをかざした後、顔写真で本人を確認します。また、医療機関や薬局が12桁のマイナンバーそのものを取り扱うことはなく、マイナンバーカードのICチップ内の利用者証明用電子証明書を利用します。

ただ、オンライン資格確認が導入されていない医療機関・薬局では、引き続き健康保険証が必要です。

 

◆事前に準備するもの

① 申込者のマイナンバーカード+数字4桁の暗証番号(パスワード)

② マイナンバーカード読取対応のスマートフォン(またはPC+ICカードリーダー)

③ 利用するブラウザ用のマイナポータルアプリのインストール

 

なお、マイナポータルのホームページでは、パソコンの場合とスマートフォンの場合の利用申込方法の動画が公開されることになっているようですが、8月12日現在では「準備中」の表示になっています。

【マイナポータル「マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようになります!」】

https://myna.go.jp/html/hokenshoriyou_top.html?fbclid=IwAR2jRv7ros5drqQWeFXxg87T91cjFNTxGqwFlK8u2lo1gTxnuV_FgR2RAto

 

 

コロナ問題影響下における人材派遣をめぐる最新動向

 

◆新型コロナウイルス感染症に起因する非正規雇用への影響

厚生労働省によれば、7月31日集計分の解雇等見込み労働者数のうち非正規雇用労働者数(パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託等)は16,342人です。5月25日の集計分2,366人と比較すると約7倍で、13,976人増加しています。

非正規雇用労働者以外の解雇等見込み労働者数が、7月31日集計分41,391人、5月25日集計分16,723人で24,668人増と約2.5倍であるのに比べると、割合としては非正規雇用労働者のほうが増えています。

 

◆厚生労働省も派遣労働者の雇止め問題を注視

リーマンショック時の派遣労働者の雇止め問題を受け、厚生労働省ではコロナ問題発生後、労使団体や派遣業界に対して雇用維持を図るよう、度々要請しています。

7月31日の加藤厚生労働大臣の記者会見では、派遣契約更新の多かった6月末時点では派遣契約の継続や新たな派遣先確保により、基本的に維持ができているという認識が示されました。

一方、9月の更新時期を迎えるにあたっては、都道府県労働局において、雇止め等があれば、雇用安定措置の適切な履行あるいは雇用調整助成金の活用による雇用維持等、必要な指導を徹底的に行いたいとしています。すでに、各労働局に対して雇用維持に係る要請をさらに徹底していくよう指示を行い、製造系派遣を行う派遣元に対しては、中途解除等の状況把握および雇用安定措置等に係る指導監督を集中的に実施するよう、指示したとのことです。

 

◆令和3年度の同種業務に従事する一般労働者の賃金額の公表時期は延期

企業規模にかかわらず、派遣労働者については、今年4月1日よりいわゆる同一労働同一賃金が求められています。

派遣労働者の待遇決定にあたり、労使協定方式を採用している場合、派遣元は派遣労働者の待遇を「同種の業務に従事する一般労働者の賃金」(以下、「一般労働者の賃金水準」という)と同等以上になるように、労使協定で定めることとなります。

この一般労働者の賃金水準は、前年または前年度の統計調査等を活用し 、毎年6~7月に示すこととされていますが、7月29日、令和3年度分の公表を延期し、秋を目途に公表予定であることが明らかにされました。延期理由には、コロナ問題による雇用・経済への影響の先行き不透明を挙げています。

令和3年度に向けた派遣元と派遣先との契約交渉は本年末頃から開始されるとみられますが、今後の動向に注意しておく必要があります。

 

 

8月1日から雇用保険の基本手当日額が変更になっています

 

◆「基本手当日額」の変更

雇用保険の基本手当日額が、令和元年度の平均給与額が平成30年度と比べて約0.49%上昇したことおよび最低賃金日額の適用に伴い変更されています。なお、平均給与額については、「毎月勤労統計調査」による毎月決まって支給する給与の平均額(再集計値として公表されているもの)が用いられています。

 

◆具体的な変更内容

1 基本手当日額の最高額の引上げ

基本手当日額の最高額は、年齢ごとに以下のようになります。

(1) 60歳以上65歳未満  7,150円 → 7,186円(+36円)

(2) 45歳以上60歳未満  8,330円 → 8,370円(+40円)

(3) 30歳以上45歳未満  7,570円 → 7,605円(+35円)

(4) 30歳未満       6,815円 → 6,850円(+35円)

2 基本手当日額の最低額の引上げ

2,000円 → 2,059円(+59円)

※ 基本手当日額の算定基礎となる賃金日額の最高額、最低額等については、毎年度の平均給与額の変動に応じて変更されていますが、これにより変更された最低額が、最低賃金日額(地域別最低賃金の全国加重平均額に20を乗じて7で除して得た額)を下回る場合は、最低賃金日額を最低額とすることとされています(雇用保険法第18条第3項)。

令和2年8月1日以降の基本手当日額の最低額については、最低賃金日額に、基本手当の給付率80%を乗じて計算されています。

(計算式)

901円(令和2年4月1日時点での地域別最低賃金の全国加重平均額)×20÷7×0.8

=2,059円

 

*変更の詳細については厚生労働省のパンフレットをご確認ください。

【厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」PDF】

https://www.mhlw.go.jp/content/11607000/000654410.pdf

 

 

育児休業制度の利用状況は?~厚労省「令和元年度雇用均等基本調査」

 

◆女性の管理職割合や育児休業取得率などに関する状況を公表

厚生労働省は、7月31日に「令和元年度雇用均等基本調査」の結果を公表しました。本調査は、男女の均等な取扱いや仕事と家庭の両立などに関する雇用管理の実態把握を目的に実施しているもので、令和元年度は、全国の企業と事業所を対象に、管理職に占める女性割合や、育児休業制度や介護休業制度の利用状況などについて調査しています(令和元年10 月1日現在の状況)。

 

◆育児休業取得者の割合

本調査の中でも、育児休業制度の利用状況に関する調査結果について注目したいと思います(調査対象数6,209 事業所(有効回答数3,460 事業所、有効回答率55.7%))。平成29 年10月1日から平成30 年9月30 日までの1年間に在職中に出産した女性(男性の場合は配偶者が出産した男性)のうち、令和元年10 月1日までに育児休業を開始した者(育児休業の申出をしている者を含む)の割合は、女性が83.0%(平成30年度82.2%)、男性7.48%(平成30年度6.16%)となっています。

 

◆有期契約労働者の取得率

また、同期間内に出産した、制度の対象となる有期契約労働者の女性の育児休業取得率は77.5%で、前回調査(同69.6%)より7.9ポイント上昇していますが、同期間内において配偶者が出産した、有期契約労働者の男性の育児休業取得率は3.07%で、前回調査(同7.54%)より4.47 ポイント低下しました。有期契約労働者の取得率については、男性の場合は前回調査より下がる結果となっており、女性と比べて伸びていないことがわかります。

 

◆男性の育休促進の取組み

男性の育児休業については、かねてより国も取得促進に向けて取り組んでいます。取得率は7年連続で増加しているものの、上昇率は小幅にとどまっており、政府が目標としてきた「2020年に13%」の達成には程遠い状況となっています。そのような状況も受け、厚生労働省は、子どもの出生直後に着目した父親向けの休業制度を新設する方向で検討を始めているとのことです。子どもの出生後4週間に限り、簡単な手続きで休業でき、給付金も増やす案となっています。

コロナの影響で社会的にも働き方に対する意識の変化があらわれているなか、企業としても男性の育休取得については対応を検討していく必要がありそうです。

【厚生労働省「令和元年度雇用均等基本調査」】

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-r01.html

 

 

福利厚生施策の多様化とテレワーク~(独)労働政策研究・研修機構調査

 

◆企業における福利厚生施策の実態に関する調査

慶弔関係、財産形成、食事・住宅等の提供や補助が中心だった法定外の福利厚生が、「働き方改革」等を背景に多様化が進行しておあり、企業では福利厚生メニューの見直しが進んでいるようです。(独)労働政策研究・研修機構が「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」の結果を公表しています。

 

◆福利厚生施策の動向

本調査からは、次のような傾向が見られます。

◎施策がある割合

慶弔休暇制度(90.7%)、慶弔見舞金制度(86.5%)、病気休職制度(62.1%)、永年勤続表彰(49.5%)、人間ドック受診の補助(44.6%)といった順になっています。

◎従業員の重視する点

現在の勤務先を選ぶにあたって福利厚生制度の内容を重視したかを尋ねる項目では、全体では、「ほとんど考慮しなかった」(42.3%)が最も多く、次いで「ある程度は重視した」(31.4%)となっており、企業規模での差や就業形態別での差はあまりないようです。

一方で、年齢別にみると、特に「ある程度は重視」との回答が20歳代で43.9%、30歳代で33.6%と高く、さらに女性の20歳代(47.0%)・30歳代(37.3%)で男性より高くなっています。仕事と家庭の両立が課題となる世代が福利厚生制度を重視しているようです。

仕事と生活の両立支援、自己啓発、労働時間・休暇制度の見直しといった多様化がうかがえる結果となっており、実施にあたり企業はこうした視点を重視する必要があるようです。

 

◆テレワークは今後の最重要課題

コロナ禍の影響から、テレワークを導入した企業も多いでしょう。本調査は2017年に行われているため、福利厚生施策としてのテレワークの導入比率は少ない(1.6%)ですが、現時点では状況は一変しており、テレワークの導入・運用は喫緊の課題となっています。

テレワークを取りあえず導入してみたけれども、うまくいかない、旧来のやり方にこだわる空気がぬぐえない、具体的にどう運用するのかわからない……といった悩みを抱える職場も多いことでしょう。

テレワークの導入・運用に関わる従業員(具体的には、現場のマネージャークラス等)には、テレワーク導入のための知識、実際に仕事を効率化するためのノウハウ、社内の空気を変えるための啓蒙・指導方法など、多くのことが求められています。

【(独)労働政策研究・研修機構「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」】

https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/documents/203.pdf

 

 

社会福祉施設、陸上貨物運送事業における労災防止について

 

◆社会福祉施設&陸上貨物運送事業の労災防止に向けた通達が発出

厚生労働省から、次の2つの通達が公表されました。

・社会福祉施設における労働災害防止に向けたより一層の取組について(令和2年7月28日基安発0728第1号)

・陸上貨物運送事業における労働災害防止に向けた一層の取組について(令和2年8月3日基安発0803第2号)

通達では、令和元年の社会福祉施設における休業4日以上の死傷者数は10,045件(前年比5.2%増)と急増していることや、陸上貨物運送事業においては前年より2.8%減少したものの、平成29年度比で4.6%増加していることなどから、労働災害防止に向けて、重点的に取り組む必要があるとしています。

 

◆労働災害の特徴

社会福祉施設では、腰痛等の「動作の反動・無理な動作」と「転倒」による死傷災害が多く、特に「動作の反動・無理な動作」は、社会福祉施設における死傷災害の約3割をしめ、他業種と比較しても災害件数が多い傾向にあります。また、施設利用者の送迎時の交通事故も社会福祉施設での特有の事故です。

陸上貨物運送事業における労働災害については、荷役作業時における労働災害が全体の約7割を占めており、荷役作業時の労働災害では特に荷台からの転落が多く、うちトラック荷台等への昇降時に発生するものがその約4割を占めています。

 

◆労働災害防止対策で活用したいリーフレットや資料

通達では、社会福祉施設、陸上貨物運送事業の労災の特徴を踏まえ、次の資料等を利用し、関係者団体に対して、積極的な周知・指導に取り組むようにとしています。

【社会福祉施設】

・「職場の危険の見える化(小売業、飲食業、社会福祉施設)実践マニュアル」

労働災害防止対策の有効なツールの1つとして「職場の危険の見える化」がありますが、本マニュアルでは、例えば、介助の伴う「腰痛予防や」「転倒予防」の見える化の例として、福祉用具(機器・道具)を活用した腰痛予防や、施設利用者の送迎時の交通事故防止のための交通ヒヤリマップの作成など、イラスト入りでわかりやすく紹介されています。その他、「職場における腰痛予防対策指針」や「エイジフレンドリー補助金」「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」なども紹介されています。

【陸上貨物運送事業】

・「陸上貨物運送事業におけるトラック荷台からの転落を防ぐために 荷台昇降設備・装備はありますか?」(リーフレット)

トラック荷台への昇降時の労働災害を防ぐための最新の安全対策とともに、転落防止に役立つチェックポイントが紹介されています。また、「労働災害が増えています。荷物の積み降ろしを安全に」(リーフレット)では、荷役作業時の死亡災害にみる災害パターン別の原因と対策が紹介され、参考になります。

 

 

新型コロナウイルスの影響による障害者の働き方の変化

~パーソルチャレンジ調査

 

◆6割が「収入」や「就業継続」に不安

パーソルチャレンジ株式会社が行った「新型コロナウイルス感染拡大による障害者の就業、就職・転職活動への影響」についての調査結果によると、在職中の障害者(複数選択)の約6割が新型コロナウイルスの影響で、実生活に直結する「収入」「就業継続」を不安に感じていることが明らかになりました。

また、ストレスや体の不調による「体調、健康面への不安」(36.7%)や、「コミュニケーション、人間関係の不安」(24.7%)など在宅勤務による就業場所や環境の変化によって不安が増していることが明らかになりました。

 

◆半数が在宅勤務を希望

コロナ禍の就業形態についての調査では、51.6%が在宅勤務で就業をしていました。また、今後の理想の働き方として、在宅勤務を望む人が50.1%と約半数に上っており、「自宅から近いオフィスや事業所で働きたい」が16.6%、「今までどおりオフィスに出社して働きたい」が8.9%という結果となりました。

なお、同社が企業担当者に対して行った調査でも、障害のある社員に対し特別措置として「テレワークを導入し、在宅勤務とした」(27.3%)、「時差出勤や時短勤務を導入した」(26.4%)と回答しました。

 

◆今後の障害者雇用にどう影響するのか?

また、同調査で「障害者が働くことに対して重視すること」について、新型コロナウイルス発生前と現在・今後に分けて聞いたところ、以下の結果になりました。

 重視すること コロナ発生前 現在・今後 増減
収入・給与 64.6% 57.1% △7.5
業務内容 42.5% 26.6% △15.9
就業継続 43.3% 40.5% △2.8
自己成長・キャリアアップ 22.4% 18.1% △4.3
自宅と職場の距離・在宅勤務制度 21.4% 27.7% ▲6.3
オンライン活用・業務体制 7.0% 20.1% ▲13.1

これからの障害者の働き方として、オンラインの活用やテレワークといった在宅勤務を前提とした採用の仕方も考えられます。もちろん、これまでと変わらず障害種別に応じた配慮や健康に重視した働きやすい環境を整えることも必要です。

来年3月末までには、民間企業の法定雇用率が2.2%から2.3%に引き上げられ、常用雇用で働いている労働者が43.5人以上の企業に対し、1人の障害者を雇用する必要があります。この調査結果を踏まえて障害者の採用を検討してみてはいかがでしょうか。

【パーソルチャレンジ「新型コロナウイルス感染拡大による障害者の就業、就職・転職活動への影響」】

https://challenge.persol-group.co.jp/wp-content/uploads/2020/07/news_6485.pdf

 

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